ホットスワップ対応のテンキーキットの基板を流用してロープロファイルテンキーを作製してみたところ、簡単に組み立てることができました。本記事では、ロープロファイルテンキーを作製するにあたってのパーツ準備・組み立てとロープロファイルテンキーの使用感について解説していきます。
- なぜ、テンキーを「半」自作するのか?
- ロープロファイルテンキーを作製するにあたって、必要なパーツは何か?
- ロープロファイルテンキーの使用感はどうか?
本記事に掲載している製品使用方法の一部または全部は、メーカーの想定外のものである可能性があります。本記事と同様の内容を実施する場合は、各自の責任において実施いただきますようお願いいたします。
0. なぜ、テンキーを「半」自作するのか
仕事でもプライベートでも、キーボードは使いやすい物を使いたいものです。
自分が求めることを全て満たすキーボードが既製品として存在するとは限りません。そのような場合には、キーボードを自作するという方法があります。
前回記事では、ホットスワップ対応のテンキーキットidobao Montex RGB V2を使ってテンキーを作製しました。
私がテンキーに求めることの一部は、前回記事では実現できていませんでした。今回は、ロープロファイルテンキーを作製すべく、idobao Montex RGB V2の基板を流用して新たなテンキーを作製することにしました。具体的には、idobao Montex RGB V2の基板を流用したサンドイッチ構造のテンキーを作製することにしました。
テンキーに筆者が求めること | 前回記事での実現性 | 今回記事での実現性 |
---|---|---|
キー配置は6段 x 5列 | 〇 | 〇 |
プログラマブル | 〇 | 〇 |
薄型 | × | 〇 |
キースイッチはロープロファイルメカニカルスイッチ | × | 〇 |
1. パーツ準備
今回、テンキーを作製するにあたって、下表のパーツを準備しました。
製品名 | 数量 | 備考 | |
---|---|---|---|
基板 | idobao Montex RGB V2の基板 | 1個 | – |
スイッチプレート | アクリル板 | 1個 | – |
ボトムプレート | アクリル板 | 1個 | – |
キースイッチ | Outemu Low profile switch | 27個 | – |
キーキャップ1 | XVX Skyline R2 | 1式 | – |
キーキャップ2 | FILCO Majestouch Stingray用無刻印キーキャップ | 1式 | – |
Type-A to Type-C ケーブル | idobao Montex RGB V2付属のケーブル | 1本 | – |
ねじ1 | なべ小ねじ M2 – 4 mm | 8個 | – |
スペーサー | 黄銅スペーサー(丸)M2 – 6 mm | 4個 | – |
ねじ2 | なべ小ねじ M2 – 5 mm | 6個 | – |
ナット | 六角ナット M2 | 6個 | – |
基板について
前回記事で使ったテンキーキットidobao Montex RGB V2を分解し、基板を取り出しました。
アクリル板について
サンドイッチ構造の自作キーボードのプレートには、アクリル板を使うことが一般的です。今回は、アクリルオンラインでアクリル板のオーダーカット・加工を注文することにしました。
idobao Montex RGB V2の基板のサイズ、キースイッチ位置、ねじ穴位置を寸測し、スイッチプレート・ボトムプレートの形状を設計しました。



キースイッチOutemu Low profile switchについて
今回、キースイッチとしてOutemu Low profile switchを準備しました。
Outemu Low profile switchの特徴は下記です。
- ロープロファイルキースイッチ。
- ピン配置は、Cherry MX互換の配置
- ステムは、Cherry MX互換の形状(十字型ステム)。
多くのロープロファイルキースイッチは、ピン配置がCherry MX互換スイッチと異なっています。Outemu Low profile switchは、数少ないCherry MX互換のロープロファイルキースイッチです。
今回使うidobao Montex RGB V2の基板はCherry MX互換スイッチ対応のフットプリント形状ですので、Outemu Low profile switchを選定しました。
今回準備したキーキャップXVX Skyline R2について
今回キーキャップとしてXVX Skyline R2を準備しました。
XVX Skyline R2は、ロープロファイルキーキャップです。XVX Skyline R2の詳細については、下記記事でまとめています。
2. 組み立て
テンキーを組み立てていきます。
スイッチプレートに基板を、なべ小ねじ M2 – 5 mmと六角ナット M2を使って、取り付けます。ねじ – スイッチプレート – 基板 – 六角ナットの順になっています。
Outemu Low profile switchを取り付けます。
ボトムプレートを、黄銅スペーサー(丸)M2 – 6 mmとなべ小ねじ M2 – 4 mmを使って、取り付けます。ねじ – スイッチプレート – スペーサー – ボトムプレート – ねじの順になっています。
キーキャップを取り付けます。
Type-A to Type-C ケーブルを取り付けます。
テンキーは完成です。
テンキーの位置が動くのを抑えるべく、テンキーの裏面に滑り止めテープ等を貼り付けても良いです。
3. 使用感
今回作製したテンキーの形状について
想定通り、キー配置6段 x 5列のロープロファイルテンキーになりました。
今回作製したテンキーと私が愛用しているロープロファイルキーボードLogicool MX Mechanical Miniを並べてみました。高低差は大きくなく、今回作製したテンキーは十分にロープロファイルであるといえます。
実際、今回テンキーを作製して以来、作製したテンキーとLogicool MX Mechanical Miniを組み合わせて使っていますが、快適に使えています。
今回作製したテンキーのキー割り当て等の変更について
キー割り当ての変更は、QMK上の設定を変更することでできます。QMK上の設定を変更するにはいくつかの方法がありますが、Webアプリ「VIA」を利用するのが簡単だと思います。Webアプリですので、WebブラウザからVIAサイト(下記)にアクセスするだけで利用できます。
VIA上でキー割り当てを変更することができます。
VIA上で設定した内容は、設定ファイルとしてPCローカルディスク等にセーブすることができます。設定ファイルから設定をロードすることもできます。
VIA上でライティングパターンも変更することができます。
VIAの利用方法の詳細については、下記サイトが参考になると思います。
4. まとめ
今回、ホットスワップ対応のテンキーキットidobao Montex RGB V2の基板を流用してロープロファイルテンキーを作製しました。
想定通りのテンキーになり、満足できました。
キーボードの自作を考えている方の参考になりましたら幸いです。